この記事の内容
- 仮想通貨の税金の仕組み(雑所得・最大55%)
- 確定申告が必要なケース
- 税金がかかるタイミング
- 計算方法と便利ツール
- 2026年からの税制改正の可能性
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「ビットコインが上がって含み益が出てる!」
嬉しいですよね。でも、利益を確定したら税金がかかります。
しかも仮想通貨の税金は、株やNISAとは仕組みが違います。知らずに放置すると、後から多額の請求が来ることも…。
この記事では、仮想通貨の税金の基本から確定申告のやり方まで、初心者向けにわかりやすく解説します。
仮想通貨の税金の基本
仮想通貨の利益は「雑所得」に分類されます。
雑所得とは?
給与所得や事業所得に当てはまらない「その他の所得」のこと。
仮想通貨のほか、副業収入やフリマの利益なども雑所得になります。
ポイントは「総合課税」であること
雑所得は、給与などの他の所得と合算して税率が決まります。
所得が多いほど税率が上がる「累進課税」なので、稼げば稼ぐほど税率も上がります。
所得税の税率(2025年現在)
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195〜330万円 | 10% | 97,500円 |
| 330〜695万円 | 20% | 427,500円 |
| 695〜900万円 | 23% | 636,000円 |
| 900〜1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800〜4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
(参考:国税庁 所得税の税率)
これに住民税10%が加わるので、最大で約55%になります。
確定申告が必要なケース
以下のケースに当てはまる場合、確定申告が必要です。
会社員の場合
- 仮想通貨の利益が年間20万円を超えたら申告が必要
自営業・フリーランス・無職の場合
- 仮想通貨の利益が年間48万円を超えたら申告が必要
(参考:国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱いについて(FAQ))
注意!
20万円以下でも住民税の申告は必要です。
確定申告が不要でも、お住まいの市区町村に住民税の申告をしましょう。
税金がかかるタイミング
実は、売却以外にも課税されるタイミングがあります。
課税されるケース
| タイミング | 例 |
|---|---|
| 売却した時 | ビットコインを日本円に換えた |
| 他の通貨に交換した時 | ビットコインでイーサリアムを買った |
| 買い物に使った時 | ビットコインで商品を購入した |
| マイニングで得た時 | マイニング報酬を受け取った |
| エアドロップで得た時 | 無料で仮想通貨をもらった |
課税されないケース
| タイミング | 例 |
|---|---|
| 保有しているだけ | ガチホ(売らずに持っている) |
| 日本円で購入した時 | 取引所でビットコインを買った |
| ウォレット間の移動 | 取引所から自分のウォレットへ送金 |
利益の計算方法
基本の計算式はシンプルです。
利益の計算式
利益の計算式
利益 = 売却価格 − 取得価格(買った時の価格)
例:100万円で買ったビットコインを150万円で売った
- 売却価格:150万円
- 取得価格:100万円
- 利益:50万円 ← これに税金がかかる
ただし、複数回に分けて買っている場合は計算が複雑に…
この場合、「総平均法」または「移動平均法」で取得価格を計算します。
総平均法と移動平均法
総平均法:1年間の購入価格の平均を取得価格とする(初心者向け・簡単)
移動平均法:購入のたびに平均取得価格を計算し直す(より正確)
一度選んだ方法は原則3年間変更できません。迷ったら総平均法がおすすめです。
(参考:国税庁 暗号資産の計算書)
計算に便利なツール
取引履歴をアップロードするだけで、自動で損益計算してくれるサービスがあります。
おすすめの損益計算ツール
| サービス名 | 特徴 |
|---|---|
| Cryptact(クリプタクト) | 対応取引所が多い、無料プランあり |
| Gtax | 国内取引所に強い、シンプル |
| CoinTool | 無料で使える機能が多い |
また、コインチェックでは取引履歴をCSVでダウンロードできるので、これらのツールに読み込ませるだけでOKです。
確定申告のやり方
大まかな流れは以下の通りです。
ステップ1:取引履歴をダウンロード コインチェックなどの取引所から、1年分の取引履歴をCSVでダウンロード。
ステップ2:損益計算ツールで計算 Cryptactなどのツールに取引履歴を読み込ませて、年間の損益を計算。
ステップ3:確定申告書を作成 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書を作成。雑所得の欄に仮想通貨の利益を入力。
ステップ4:申告・納税 e-Taxでオンライン提出、または税務署に持参・郵送。
確定申告の期間
2026年から税金が安くなる?
実は、2026年以降に税制が変わる可能性があります。
2025年8月、金融庁が「暗号資産の税率を株と同じ約20%に引き下げる」ことを税制改正要望に盛り込みました。
(参考:金融庁 令和8年度税制改正要望)
現状と改正後の比較
| 項目 | 現状 | 改正後(検討中) |
|---|---|---|
| 税率 | 最大55% | 約20% |
| 損益通算 | 不可 | 可能になる? |
| 繰越控除 | 不可 | 可能になる? |
よくある質問
Q. 利益20万円以下なら申告しなくていい?
A. 所得税は不要ですが、住民税の申告は必要です。
会社員で仮想通貨の利益が20万円以下の場合、確定申告は不要です。ただし、住民税は申告が必要なので、お住まいの市区町村に申告しましょう。
Q. 損失が出たらどうなる?
A. 残念ながら、他の所得と相殺できません。
株と違い、仮想通貨の損失は給与所得などと損益通算できません。また、翌年への繰り越しもできません(税制改正で変わる可能性あり)。
Q. 海外取引所を使っていても申告は必要?
A. はい、必要です。
海外取引所でも、日本に住んでいる限り日本の税法が適用されます。取引履歴をしっかり保管しておきましょう。
Q. 税理士に頼んだ方がいい?
A. 利益が大きい場合や取引が複雑な場合はおすすめです。
数十万円程度なら自分でできますが、数百万円以上の利益がある場合は、仮想通貨に詳しい税理士に相談すると安心です。
まとめ|税金を知って賢く投資しよう
最後に、この記事のポイントをまとめますね。
仮想通貨の税金の基本
- 雑所得に分類、最大55%の税率
- 会社員は年間20万円超で確定申告が必要
- 売却・交換・買い物で利益確定すると課税
計算と申告のコツ
- 損益計算ツール(Cryptactなど)を活用
- 取引履歴は年末にダウンロードしておく
- 確定申告は2月16日〜3月15日
今後の見通し
- 2026年以降、税率20%への引き下げを検討中
- 損益通算・繰越控除も可能になる可能性
これから仮想通貨を始めるなら、コインチェック(Coincheck) がおすすめです。取引履歴のダウンロードも簡単ですよ。